昨年度分析した、物質設計、材料設計、プロセス設計を経て、製品化にいたるプロセスライフサイクルのアクティビティモデルによって、プロセスライフサイクルとプロダクトライフサイクルを結合したモデルを作り上げ、全体を統合化したシステムとするために、プロダクトライフサイクルのモデル化、および統合化のための基本システムの設計、試作を行った。プロダクトライフサイクルについては、汎用ポリマー材料であるポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートについてモデル化を行い、原料から廃棄、リサイクルを含めたモデルとその評価手法を確立した。特に地球環境への影響についても地球温暖化、酸性雨などまでを含めた評価方法を検討した。統合システムの設計については、ライフサイクルモデルの表現方法、物質、熱フローの計算方法、外部のライフサイクル情報のデータベースやモデルの構築、管理、利用方法について検討、設計を行った。特にライフサイクルモデルの表現方法については、再利用可能性についても重視して設計した。この設計に基づいたプロトタイプ実装には、分散環境を前提としたJava言語を用い、分散オブジェクトの相互利用のためにオブジェクトリクエストブローカーの一種であるRMI、分散オブジェクト管理にJiniを利用した。設計者へのユーザーインターフェースについても昨年度の基本設計に基づいた実装を行った。Javaの利用によって、計算機環境の違いを最低限に押さえることができた。 オブジェクト間のインタフェース、例えば物質名の引き渡し方について標準化が必要であるが、この点については今後の課題となった。
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