本年度実施し、得られた結果は以下のようである。 (1)発砲ポリスチレンの良溶媒として、環境に負荷を与えないリモネンを採用してポリスチレン溶液を調整し、液・液物性(粘性、界面張力、密度)を測定した。そして、この溶液を分散相とした液・液分散系を形成する条件(攪拌動力、界面活性剤濃度、ポリスチレン濃度)と分散液滴特性(滴径分布、平均滴径)との定量的依存性を明らかにした。 (2)マグネタイト粉末を分散相に添加する場合と、連続水相に添加する場合について、詳細の検討を実施した結果、前者の場合には内部分散型が、また、後者の場合には被覆型複合体微粒子が生成されることを明らかにした。さらに、被覆型となる構造の複合体粒子表面には、マグネタイト付着層が多層構造となっていることを明らかにした。 (3)複合体微粒子の最外層に、光触媒作用を呈する二酸化チタン粉末の付着層を形成するための調整条件を検討した。そして、二酸化チタン粉末の添加時間に最適条件が存在することが判明した。すなわち、マグネタイト粉末の付着層上にさらに二酸化チタンの単一の付着層を形成するためには、一定時間経過することが必要であること、この時間は攪拌強度や連続水相のPHに強く依存することが判明した。 以上のことより、発砲ポリスチレンを有効利用するためのリサイクル法が確立された。
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