研究課題/領域番号 |
10650749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐藤 恒之 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (80170760)
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研究分担者 |
秋山 泰伸 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (10231846)
今石 宣之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (60034394)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | CVD / 数値計算 / シリコンエピタキシ / Langmuir-Hinshelwood / 成膜速度 / 熱流動 / 枚葉型 |
研究概要 |
研究期間が終了する現時点では、(a)枚葉式水平コールドウォール型CVD装置用3次元有限差分解析コードの開発および(b)トリクロロシラン(SiHCl3)-水素(H2)系を原料とするシリコン(Si)CVDに対する反応を組み込んだモデルの作成と成膜速度解析に関する研究はほば終了した.得られた結論を以下に示す. 1)2次元数値モデルにより流れ場、温度場および濃度場の関連についてガス流速や基板温度を変化させて熱流動特性を考察した.その結果、枚葉型装置内では比較的高速で流入したガスは気相中広範囲にわたって低温かつ原料の高濃度に保持された領域を形成する.2)トリクロロシラン-水素からのシリコン析出はLangmuir-Hinshelwood型の表面反応機構のために高濃度のガス供給によって流れ方向の成膜速度の低下はおさえられる.3)基板の回転は成膜速度分布の均一化に効果がある.4)原料ガス濃度が高濃度の場合、高グラスホフ数条件の計算が必要となり、これに対応するために3次元解析コードの開発を行った.この解析によって円形基板面上の成膜速度分布は気相内に形成される縦渦列の運動に強く影響されること、すなわち上昇流の発生する箇所では成膜速度は小さく、一方下降流のあるところでは逆に成膜速度は大きくなった.5)低成膜速度を示す領域が基板中心部に形成された場合、基板の回転は成膜速度分布の均一化に寄与しない.したがってこの種の装置ではガス流量、回転速度、ガス濃度の関係を把握することが成膜速度の均一化を達成するために重要である. 本研究では数値計算によるCVD装置シミュレーションを主に遂行した.実験データの比較を行い、より正確な現象の再現を行うことが今後の課題である.しかしこれまで定量的な解析の少ない本CVD装置に対して種々の現象を明らかにしたことは極めて意義深いと考えられる.
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