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1998 年度 実績報告書

多段電気透析による希土類金属の分離

研究課題

研究課題/領域番号 10650757
研究機関名古屋大学

研究代表者

高橋 勝六  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20023278)

キーワード電気透析 / 多段電気透析 / 希土類金属 / 分離度 / 錯化剤 / サマリウム / カドリニウム / 陽イオン交換膜
研究概要

本年度は希土類金属であるガドリニウム(Gd)とサマリウム(Sm)の電気透析による分離について検討した。陽イオン交換膜1枚を通しての透過速度はSmがGdに比べてすこし大きく、その透過選択係数(透過速度の比/供給側の濃度比)は1.16であった。この選択係数を増大させるために水相において希土類金属と錯体を形成する錯化剤として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)を供給液に添加しその効果を調べた。錯化剤添加により金属イオンの透過速度は抑制され、DTPAの場合はSmの透過速度の減少が大きいため、透過選択性は小さくなった。一方、EDTAの場合はGdの透過速度が強く抑制され、透過選択性はEDTA濃度とともに増大した。EDTA濃度4mol/m^3で透過選択性は1.4になり、透過速度は半減した。さらに高濃度では選択性は向上するが透過速度が非常に小さくなった。透過速度を大きくするには透過側の酸濃度を高くし、低pHで行うことが有効であり、その際、選択性は一定に維持された。これらのことを踏まえて、EDTA添加系で7段の多段電気透析実験を行った。しかし、EDTAは高酸濃度では沈殿する問題があり、多段操作では透過側に酸を加えると還流により全ての段でpHが下がるため,酸濃度、EDTA濃度とも高くすることができなかった。EDTA濃度1.0mol/m^3で行ったが、この濃度では透過選択係数1.21に対して、多段電気透析での分離度(透過側の濃度比/供給側の濃度比)は印加電圧5Vで2.3となり、15Vでは分離度は2.6にまで上昇した。ざらに印加電圧を高くすると分離度は向上したが、透過速度が極端に小さくなった。以上、SmとGdの電気透析による分離において、錯化剤の効果は多少見られたが、飛躍的な向上は得られなかった。今回の系では透過選択係数が小さいため多段電気透析において実用的な分離度は得られなかったが、多段化による分離度の向上は確認され、透過選択係数に対する分離度としては十分に大きくなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] G.P.T.Curz,S.Nii,F.Kawizumi and Katsuroku Takahashi: "Simulation of Mutistage Electrodialysis" Journal of Chemical Engineering of JAPAN. 32・1. 142-145 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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