研究課題/領域番号 |
10650762
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
河野 恵宣 宮崎大学, 工学部, 教授 (10040974)
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研究分担者 |
塩盛 弘一郎 鹿児島大学, 工学部, 助手 (80235506)
幡手 泰雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00038051)
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キーワード | スクアレン / リノール酸 / □ トコフェロール / アスコルビン酸 / □ トコフェロール二量体 / 誘導期 / 加速期 / 抗酸化 |
研究概要 |
スクアランに種々の濃度でスクアレンを溶解した混合溶液およびラウリン酸エチルに種々の濃度でリノール 酸を溶解した混合溶液の酸化反応速度を流通型反応装置を用いて測定した。反応速度に及ぼす脂質濃度、酸素分圧、紫外線強度、抗酸化剤(□ トコフェロールおよびアスコルビン酸とその誘導体)添加量の影響等を定量的に検討した。前年明らかにした抗酸化速度に及ぼす□ トコフェロール2量体の存在を、マスペクトルおよび高速液体クロマトグラフによる分析結果から確認し、提案した反応モデルの妥当性を明らかにした。アスコルビン酸またはその誘導体の単独添加における抗酸化効果は、□トコフェロール添加と比較して非常に小さく、その定量性もあまり確認できなかった。□ トコフェロール添加で最大効果を発揮しうる0.01%(wt/wt)添加において、アスコルビン酸添加による抗酸化効果は顕著であり、アスコルビン酸の添加量を変化させた場合、誘導期から停止期(見かけ上酸化反応が進行しない状態)、加速期への酸化状態の状態変化と加速期における過酸化物濃度は同様であるが、停止状態の時間はアスコルビン酸がある濃度までは濃度とともに時間が増加するが、ある濃度以上になると一定となるアスコルビン酸についての最大効果濃度が存在する。酸化速度に及ぼす脂質濃度の依存性は、反応モデルに基づいた速度式によって説明されることが判った。酸化速度に及ぼす酸素分圧濃度は比例関係が成立せず、酸素分圧の(1/2)乗に影響される。実験結果は混合溶液への酸素の分配係数(実測)を考慮した速度機構に基づいて解析する。平成12年度では、抗酸化剤添加の影響を定量的に検討して、酸化反応および抗酸化添加による抗酸化機構について明らかにし、その速度式を確立する。
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