研究課題/領域番号 |
10650762
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
河野 恵宣 宮崎大学, 工学部, 教授 (10040974)
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研究分担者 |
塩盛 弘一郎 宮崎大学, 工学部, 助手 (80235506)
幡手 泰雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00038051)
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キーワード | スクアレン / 過酸化物 / 紫外線照射 / 分解生成物 / ポリマー / 気泡塔型酸化反応器 / 化学発光検出器 |
研究概要 |
スクアレンの自動酸化および紫外線照射による酸化挙動について速度論的に検討すると共に、酸化過程で生成する酸化生成物および酸化生成物の分解反応生成物種について定性、定量の両面から検討した。気泡塔型反応器を用いて、スクアレンのスクアラン溶液に酸素を気泡として流通させて種々の条件でスクアレンの酸化反応速度を測定した。特に酸化反応速度に及ぼす紫外線照射の影響を検討した。酸化反応は反応初期の誘導期と過酸化物がある程度生成して加速的に進行する2段階で進行することが判った。誘導期の酸化反応速度が紫外線照射量の増加と共に増加することより、紫外線照射は脂質の励起反応の速度を促進していることが明らかとなった。しかし、連鎖反応の速度に支配される加速期の速度は紫外線照射に無関係となり、その段階の反応が紫外線照射に影響されないことが判った。誘導期の反応は生成される過酸化物濃度に無関係に、脂質濃度によって決まること、又その速度定数は紫外線照射量の増加に伴って増加することを明らかにした。一方加速期の反応速度は、生成した過酸化物濃度の一次関数として説明され、その速度定数は紫外線照射量に無関係となることを明らかにした。更に、高速液体クロマトグラフ(化学発光検出器)による生成物の分析の結果、誘導期から加速期に掛けてスクアレンの6個の不飽和結合に1〜6個の酸素が結合して6種の過酸化物が生成し、時間と共に高次の酸化物に変化することを明らかにした。また、これらの過酸化物は、酸化反応の進行に伴って、ケトン、アルデヒドおよび有機酸類に分解すると共に、過酸化物の会合によってポリマーへ変性することを明らかにした。
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