研究課題/領域番号 |
10650772
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
清水 康博 長崎大学, 工学部, 助教授 (20150518)
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研究分担者 |
兵頭 健生 長崎大学, 工学部, 助手 (70295096)
江頭 誠 長崎大学, 工学部, 教授 (60037934)
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キーワード | マイクロ波誘起Arプラズマ / フロン113 / プラズマ分解 / SiC / La_<0.8>Sr_<0.2>MnO_3 |
研究概要 |
これまでの研究で、SiC焼結体をプラズマ誘起体に用い、マイクロ波の照射により発生したArプラズマ中にLa_<0.8>Sr_<0.2>MnO_3ペロブスカイト型触媒を設置し、フロン113の分解を試みた。その結果、触媒を併用しない場合と比較して、マイクロ波出力60〜80Wで部分分解生成物であるCCl_2F_2が約2倍程度生成したが、100W以上ではこれらの部分分解生成物濃度が減少し、SiC焼結体を誘起源とするマイクロ波誘起プラズマと触媒の併用により、フロン113をさらに高効率に分解できることを見いだしている。 本研究では、まず、このマイクロ波誘起プラズマと触媒の併用法によるフロン113の分解効率の経時安定性を評価した。その結果、プラズマ中でフロン113から生成するHClやHFのために触媒が劣化し、長期運転中の分解効率が低下した。したがって、プラズマ分解後の排ガス中に含まれるHClやHFを除去した後に、CCl_2F_2などの部分分解生成物を550℃に設定したLa_<0.8>Sr_<0.2>MnO_3触媒層で処理すれば、ほぼ完全に分解できることが示唆された。 なお、本研究でSiC焼結体から発生するマイクロ誘起プラズマはストリーク状であるため、供給ガスのプラズマ中での滞在時間が不均一となり、完全分解が困難と考えられる。そこで、プラズマ発生領域を2カ所直列に配置し、フロン113の分解を試みた。その結果、さらなる分解効率の向上が達成できた。 したがって、今後、直径数mm程度の3次元連続空孔を有するプラズマ誘起体のフォームを作製し、その空孔内部にプラズマを発生させれば、低コスト、高効率な連続分解が可能になると考えられる。
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