研究概要 |
研究課題にたいし平成10年度(主として,レニア―アルミナ不均一系触媒を用いた反応と反応生成物の構造同定、分光学的測定など)に引き続き平成11年度は均一系触媒を用いた新規なσ-πハイブリッド共役系化合物、オリゴシリレンビニレン化合物を得るためにオレフィンメタセシスによる合成と検討を行った。 各種オレフィンに対し高活性、高選択性をしめす均一系触媒としてGrubbs,Schrock触媒を用いてジメチルジビニルシラン、ジエトキシジビニルシラン、テトラビニルシランなどのジビニルシラン類について反応を行った。しかし、各種反応条件について検討したが、両触媒とも本反応には有効でないことが分かった。他の均一系触媒についても検討を加えたが有効な触媒を探索することができなかった。 これに対し、テトラメチル錫を共触媒とするレニア―アルミナ触媒は、いずれの基質に対しても触媒の活性そのものは低いものの温和な反応条件下で選択的にメタセシス反応を進行させることができ、6量体程度までの透明のオリゴマーを得ることができた。活性の低い理由について検討を加えたところ、反応中間体であるメタラシクロブタンの生成が立体的に困難であるためと考察された。このことを考慮に入れ、これまでのセルフメタセシスを発展させるためにクロスメタセシスの可能性を調べた。
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