研究課題/領域番号 |
10650773
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
河合 是 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (00087298)
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研究分担者 |
松下 末知雄 東京大学, 総合文化研究科, 助手 (80295477)
彌田 智一 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (90168534)
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キーワード | オレフィンメタセシス / クロスメタセシス / ビニル芳香族化合物 / ヘテロダイマー |
研究概要 |
研究課題にたいし平成12年度は新規な複素環を有する共役系化合物をクロスメタセシスにより選択的に得るための合成的検討を行った。ビニル複素環芳香族化合物と1-オクテンとのクロスメタセシスによる合成を行い、どのような2種のオレフィンの組み合わせにより目的物が高選択的に得られるのか検討を行った。触媒には均一系触媒で、高い活性をしめす、Grubbs,Schrock触煤を用いた。ビニル複素環芳香族化合物として、ビニルフラン、ビニルチオフェン、ビニルピリジンなどを、また基準物質として、スチレンを用いた。 両触媒とも、スチレン以外のビニル複素環芳香族化合物にたいし、触媒活性がないことが分かった。しかし、ビニルフラン、ビニルチオフェンとも1-オクテンとのクロスメタセシスでは目的のクロスメタセシス生成物(ヘテロダイマー)が得られた。2種のオレフィン仕込み比等、反応に及ぼす因子について検討を行った。しかし、Grubbs触媒では、予想される50%以下でしか、ヘテロダイマーが得られなかった。これに対し、Schrock触媒では、ビニルフラン、ビニルチオフェンではそれぞれ77、98%と高い選択率でヘテロダイマーを得ることが出来た。なぜ、このように、クロスメタセシスにおいて、高い選択性でヘテロダイマーが得られるのかを明らかにするために^1HNMRにより、中間体であるカルベン種の測定を行い、予想される反応メカニズムを提案した。
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