研究課題/領域番号 |
10650773
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
河合 是 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (00087298)
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研究分担者 |
彌田 智一 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (90168534)
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キーワード | metathesis / cross-metathesis / non-linear optical material / vinylsilane / σ-π conjugated materials / π-conjugated materials / vinylarenes / vinylferrocene |
研究概要 |
フェロセンはレドックス活性分子であり、TCNQとC-Tコンプレックスを作るなど興味深い機能性分子である。また、π-共役したポリマーは非線形材料としても期待されている。 本年度は、ビニルフェロセンとビニルアレンまたはビニル複素環芳香族化合物とをクロスメタセシスにより、π-共役させた機能性分子を合成することをSchrock触媒を用いて行った。 アレンとしてスチレン、ビニルナフタレン、メチルスチレン、クロロスチレンなど、また、複素環芳香族化合物としてビニルフラン、ビニルチオフェンを用いた。本反応では1種のヘテロダイマー(目的化合物)と2種のホモダイマーが生成する。いずれの組み合わせについても目的のヘテロダイマーは73〜100%と高い選択率で得ることに成功したアレンまたは複素環芳香族化合物によるホモダイマーが幾分生成するが、フェロセンのホモダイマーはごく少量しか生成しなかった。このように高い選択性でヘテロダイマーが得られるメカニズムについて考察を行った。 ジビニルフェロセンとジビニルベンゼンとのクロスメタセシスを行ったところ、交叉ヘテロダイマーのみが選択的に合成できることがわかった。これらの結果は、π-共役した興味深い機能性化合物を1段のプロセスで合成する方法となり得ることを示すものである。
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