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1999 年度 実績報告書

アルカン小分子から長鎖の炭化水素や芳香族化合物を合成する触媒の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10650775
研究機関神奈川大学

研究代表者

内藤 周弌  神奈川大学, 工学部, 教授 (20011710)

キーワードCH_4-CO反応 / ベンゼン合成 / 炭化物 / Re / Rh / Mo
研究概要

本研究は、化学的に安定なメタン等のアルカン小分子を活性化し、長鎖炭化水素や芳香族化合物を、直接・選択的に合成し得る触媒の開発を目的とした。昨年度までの検討では、CH_4-CO反応によるベンゼン生成に対して、担特VIII族金属触媒とVI族であるMoが高活性を示すことを見出した。本年度は、周期律表でVI族とVIII族の中間に位置するReの触媒活性を検討した。また、VIII族金属中で最も高活性を示したRhへのReの添加効果を検討した。まず、Re/SiO_2触媒を用いてCH_4-CO反応を行ったところ、担特VIII族金属触媒と比較してベンゼンだけではなくエタン生成に対しても高活性を示した。また、Re/SiO_2触媒上で担特VIII族金属触媒と異なり、CH_4のみのカップリング反応でもベンゼンが少量生成した。一方、Mo/SiO_2触媒の場合、反応前にCH_4とH_2の混合気体で炭化処理を行った場合、ベンゼン生成に対する活性が向上することを見出している。そこで、本研究では、Reに同様の炭化処理を加えた場合の触媒活性を評価した。その結果、炭化処理を行わない場合と比較して、ベンゼン生成の活性が約1.5倍向上し、副生成物のCO_2の生成量は1/2に減少した。しかし、XRD分析の結果Re炭化物の生成が認められなかったことから、炭化処理による活性の向上は、Re炭化物の生成にあるのではなく、触媒表面上にベンゼン生成の中間体となる活性種が蓄積したためと考えられる。次にこの反応に高活性を示すRh/SiO_2触媒にReをRh:Re=1:1の割合で添加したところ、Rh/SiO_2触媒と比較してベンゼン生成の活性が約2倍向上すると共に、エチレン、エタンの生成速度も向上した。これはReの添加によりRh粒子径が減少したためか、RhとReとの電子的相互作用によるものと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Naito, M.Tanimoto: "Mechanistic study of the Hydrogen Exchange and Hydrogenation of Propene over Alumina Supported Rh and Ru Carloonyl Cluster Complexes"J. Mol. Catal.. 141. 205-214 (1999)

  • [文献書誌] T.Miyao, N.Toyoizumi, S.Okuda, Y.Imai, K.Tajima and S.Naito: "Preparation of Pt/SiO_2 Ultra-fine Particles in Reversed Micells and Their Catalytic Activity"Chem. Letts.. 1125-1126 (1999)

  • [文献書誌] S.Naito, S.Aida, T.Tsunematsu, and T.Miyao: "Drastic selectivity change by SMSI in the Co-H_2 Reaction over Pd/CeO_2"Chem. Letts.. 941-942 (1998)

  • [文献書誌] S.Naito, T.Karaki, T.Iritani, and M.Kumano: "Mechanistic Study of Benzene Formation in CH_4-CO Reaction over Rh SiO_2"Stud. Surf. Sci. Catal.. 119. 265 (1998)

  • [文献書誌] S.Naito, T.Hasebe, and T.Miyao: "Remarkable addition Effect of In and Ga in the NO-CO Reaction over Pd/SiO_2"Chem. Letts.. 1119-1120 (1998)

  • [文献書誌] 内藤 周弌: "触媒研究の新しい展開"神奈川大学工学部 報告. 28-31 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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