研究課題/領域番号 |
10650779
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
岡田 宏文 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70233343)
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研究分担者 |
野川 優洋 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (10283037)
森川 康 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50239638)
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キーワード | セルラーゼ / エンドグルカナーゼ / セロビオハイドロラーゼ / セルロース吸着ドメイン / アラビノフラノシダーゼ / キシラン吸着ドメイン / Trichoderma reesei / Schizosaccharomyces pombe |
研究概要 |
1.EG IIIへのセルロース吸着ドメイン(CBD)付加の効果 糸状菌Trichoderma reeseiのセルラーゼのうち、エンドグルカナーゼ(EG)IIIは他のセルラーゼに存在するセルロース吸着ドメイン(CBD)がなく触媒領域のみからなることがわかっている。そこでEG IIIに他のセルラーゼの持つCBDを付加し、分解能力の差を見ることで各酵素由来のCBDのセルロース分解における役割を明らかにすることを目的として研究を行った。 T.reeseiセルラーゼのうちCBH IIのCBDをEG IIIのN末端側に、CBH IのCBDをC末端側に付加したキメラ遺伝子を構築し、これらを前年度の結果を基にCBH IIシグナルペプチドを用いて酵母Schizosaccharomycespombeを宿主として分泌発現させた。いずれのキメラEG IIIも過剰糖付加が原因と思われる分子量の増加がみられたが比活性はCBD付加前後で変わらなかった。またCBDを付加したEG IIIはセルロースヘの吸着が確認され発現させたキメラ酵素のCBDが機能していることが判明した。この酵素を用いて各種セルロース基質に対する活性を調べたところCBH IのCBDを付加したEG IIIにおいてBMCC(bacterial microcrystalline cellulose)に対する活性が他のEG IIIに比べて有意な上昇がみられた。 2.アラビノフラノシダーゼ(AF)のキシラン吸着ドメイン(XBD)の解析 AFのC末端側に存在すると想定されるXBDの解析のためAFのS.pombeでの発現系の改良を行った。AFシグナルペプチドをCBH IIのシグナルペプチドと置換しS.pombeで分泌させたところ、CBH IIシグナルペプチドを用いた場合AFの分泌量が約100倍増加した。
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