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1999 年度 実績報告書

抗菌性紫色素生産のための低温菌の分離と生化学的検討に基づく工業化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10650780
研究機関金沢大学

研究代表者

中村 嘉利  金沢大学, 工学部, 助教授 (20172455)

研究分担者 小林 史尚  金沢大学, 工学部, 助手 (60293370)
沢田 達郎  金沢大学, 工学部, 教授 (80019728)
キーワード紫色素 / 低温細菌 / 抗菌活性 / 腐敗細菌 / 天然色素
研究概要

世界中で生産されているすべての食料の約20%は微生物による腐敗作用のために廃棄されており、多くの人々が腐敗食料の摂取のために健康を損ねてきた。新鮮かつ安全な食料が微生物によって汚染されずに消費者に供給されることは、将来の食糧不足の対策のために重要な課題の一つである。著者らは天然抗菌剤を生産する微生物のスクリーニングを行い、ニジマスの腸内から分離した低温細菌RT102株がある種の微生物に対して抗菌作用を持つ紫色素を生産することを見出した。16S rDNA塩基配列の相同性および遺伝的距離の解析より、低温細菌RT102菌はJanthinobacterium lividumに属する新種の菌であることが判明した。^1H、^<13>C-NMRとFT-MSスペクトルを用いた紫色素の化学構造の分析の結果、紫色素はビオラセインとデオキシビオラセインの混合物であることがわかった。紫色素の抗菌活性はBacillus subtilis、Bacillus megaterium、Staphylococcus aureusとPseudomonas aeruginosaなどの腐敗細菌に対して確認された。腐敗細菌に及ぼす紫色素の増殖阻害と死滅の影響が紫色素の濃度を5〜20mg/lの範囲で増加させることによって明らかにされた。高濃度(15mg/l以上)の紫色素は菌の増殖を阻害するだけでなく、菌の死滅を引き起こしたので、紫色素の食品防腐剤としての利用が示唆された。今後の研究は低温細菌の紫色素を合成する代謝経路を明らかにすることと、紫色素を大量生産するための培養装置と操作方法を確立することである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Nakamura,M.G.Sungusia,T.Sawada,M.Kuhawara: "Lignin-Degrading Enzyme Production by Bjerkandera adusta Immobilized on Polyurethane Foam"Journal of Bioscience and Bioengineering. 88・1. 35-41 (1999)

  • [文献書誌] Y.Nakamura,T.Sawada,K.Yamaguchi: "Breeding and Cultivation of Glucoamylase-Producing Yeast with Inactivation of MAT Locus"Journal of Chemical Engineering of Japan. 32・4. 424-430 (1999)

  • [文献書誌] 中村嘉利,沢田達郎,小森正樹: "固定化菌による重金属イオン存在下のフェノールの微生物分解"環境化学. 9・3. 581-587 (1999)

  • [文献書誌] Y.Nakamura,T.Sawada: "Biodegradation of Phenol in the Presence of Heavy Metals"Journal of Chemical Technology and Biotechnology. 75・2. 137-142 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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