機能性ミクロ粒子固相を特異的な反応と検出に、また光ファイバー吸光光度法によるモニタリングを用いる流れ注入(FI)システムが提案された。このFIシステムはシーケンシャルインジェクションモードで、かつコンピューター制御自動運転される。機能性ミクロ粒子の懸濁液は特別のフローセルに送られ、粒子がそこで捕捉される。セルに導入された分析成分はイオン交換樹脂の微粒子(50-150μm)に固定化された発色試薬と反応し、吸光度変化が光ファイバー分光光度法でモニターされる。分析測定が終わると、粒子はキャリヤーの流れでセルから排出される。この新しいタイプのFIシステムを評価するためにミクロ粒子(SP Sepharose Fast Flow)上に固定化されたマラカイトグリーン(MG)との反応を利用する微量SO32-の検出定量についての実験を行った。その結果、このシステムにより10-6MまでのSO32-の検出が可能であった。このオプトセンシングFIシステムを自然水中の極微量鉄の定量に応用した。バソフェナントロリンジスルフォン酸を固定化した陰イオン交換樹脂(QSepharose Fast Flow)を濃縮と反応のための固相として用いることにより河川水中の5ppbまでの鉄が11%以内の相対標準偏差で定量できた。このオプトセンシングFIシステムの特徴は反応と検出の場としての液相が機能性ミクロ粒子固相で置き換えられ、かつ集積化され、このことはより単純で、より高感度な分析システムの開発につながることである。
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