下記のガラス製および半透明テフロン製の各種フローセルを作成し、その特性を研究した。特に、感度と安定性について詳細に検討した。 同時固定化尿酸酸化酵素/ペルオキシダーゼを充填したフローセル 塩基性領域で活性を有し、安定性の高いArthrobacter globiformis由来の尿酸酸化酵素(EC1.7.3.3)を選択し、Arthromyces ramosus由来のペルオキシダーゼ(EC1.11.1.7)をグルタルアルデヒド法およびトレシル化法で親水性ビニルポリマービーズに同時固定化した。いずれの方法でも2種類の酵素を安定に同時に固定化できたが、トレシル化法によりより高い固定化収率が得られた。上記2種類の酵素中で、ペルオキシダーゼがより安定で、高い固定化収率であった。Horseradish由来のペルオキシダーゼをArthromyces ramosus由来のペルオキシダーゼにかえて使用したが、安定性、感度とも、後者の50〜100分の1だった。尿酸酸化酵素/ペルオキシダーゼ充填フローセルは2週間安定であった。これを組み込んだフローシステムを作成し、ルミノール化学発光法により、20nM〜2μMの尿酸の測定が可能であった。このセンサーを組み込んクローズドループのフロ-インジェクションシステムを構築した。100μMルミノール100mLを使用して、480検体の分析が可能であった。このクローズド法は廃液の量が少なく、試薬の消費量が少なく、環境にやさしいい分析法である。この方法を血漿中の尿酸の迅速定量に応用し、作成した固定化酵素充填センサーが実用に適することを証明した。
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