研究概要 |
SMVE Analysis(金属蒸気分離分析法)は超高温(1000℃以上)のカラム中で金属蒸気を直接分離する方法である。 本SMVEシステムの利点は 1) 金属蒸気の直接分離分析 2) 化学的前処理の不要->汚染の抑制,簡便化,低コスト 3) 光学・化学干渉の低減 4) 高温金属蒸気の物理的・化学的性質の解明 5) Tandem instrumentation(MS,ICP,AAS,AES)への応用の可能性 である.しかし,超高温のカラムが必要な事もあって、システム化の困難性という大欠点があった。平成10年度は○金属蒸気分離システムの設計,○適切な分離カラムの開発(耐熱窒化物,耐熱酸化物,炭化物,モリブデン.タングステン等高融点カラム素材の検討)及びカラムの設計,○製作した金属管分離カラムを直流電源装置(PAD 35-200LT)に繋いで加熱性能調査,○基礎実験として加熱したモリブデン金属管よりの、ロジウム、ニッケル、オスミウム、金、鉛、カドミウム、銅およびマンガンの原子化(蒸気化)の状態を調べ、環境試料及び生体試料の分析に応用した。これらの金属の内前4者はモリブデン管アトマイザーから約2000℃以上で安定して蒸気化するが、モリブデンカラムを常に2000℃以上に保ちつつ分離することは困難であった。後4者は寒験条件を整えることによりSMVEA法で分離分析が可能であった。前4者については原子吸光法による分析法の開発に成功し、雑誌に発表した.後4者金属は一部SMVEA法として確立することが出来、雑誌に成果を発表することが出来た。
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