研究課題/領域番号 |
10650824
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
北島 圀夫 信州大学, 工学部, 教授 (30021009)
|
研究分担者 |
山口 朋浩 信州大学, 工学部, 助手 (30283237)
|
キーワード | 多核ヒドロキソAl錯体 / 架橋雲母 / 焼結体 / 多孔質 / ケイフッ化物 / ゾル-ゲル法 / マイカセラミックス / 機械加工性 |
研究概要 |
金属アルミニウム溶解法で得られる高濃度・高重合度・高純度の多核ヒドロキソアルミニウム錯体(PHA)溶液のゲル化能および溶存化学種の大きさや平面性を活用して新規無機材料を創製するとともに、PHAの均質系または不均質系ゲル相を経由する機能性セラミックスの低温合成法を構築することを目的とし、以下の知見を得た。 1.PHAと膨潤性合成フッ素雲母から得られた粒子径の異なるアルミナ架橋雲母を成型し、500〜800℃の所定温度で焼成すると、架橋構造を維持した焼結体が500〜700℃の焼成温度で得られることがわかった。800℃で焼成すると架橋構造は崩壊し、ミクロ多孔性を喪失した。粒子径の大きい架橋体から調製した焼結体は、粒子径の小さい架橋体から調製した焼結体に比べ比表面積およびミクロ孔容積が大きかった。また、架橋構造の耐熱性は粒子径の大きい架橋体から調製した焼結体の方が高く、耐熱性はホスト結晶のc*軸方向の大きさに依存していると考えられた。架橋雲母焼結体は、薄片状雲母結晶が絡みあった微構造を有し、良好な機械加工性を示した。 2.PHA-コロイダルシリカ-K_2SiF_6系ゲルを焼成することにより、2-八面体型フッ素雲母とガラス相が絡みあったマイカセラミックスが合成できた。最適焼成温度は620℃、最適成形圧は150MPa以下と判断された。原料の最適添加モル比はPHA:コロイダルシリカ:K_2SiF_6=0.15:0.25:0.06であった。また、PHA-コロイダルシリカ系ゾルにK_2SiF_6を懸濁液で添加して調製した場合のみ良好なゲルが得られ、混合順序の異なるゲルからはマイカセラミックスは得られないことがわかった。得られたマイカセラミックスは良好な機械加工性を有した。
|