ゲスト分子としてジエチレントリアミン(2E3A)とペンタンタエチレンヘキサミン(5E6A)、ホスト化合物として層状リン酸ジルコニウムを用いたインターカレーション化合物を合成した。2E3Aに関しては溶液の濃度や反応時間を変えることにより、層間の異なった2種類の化合物を単一相として合成することに成功し、それらはゲスト分子が折れ曲がった状態で配列した化合物(Phase I)と直鎖状に配列した化合物(Phase II)であることがわかった。 これらのインターカレーション化合物へのカルボン酸ガスの吸着実験を行い、2種類の2E3Aインターカレーション化合物では吸着特性が大きく異なることがわかった。Phase Iではカルボン酸ガスを全く吸着しないのに対して、Phase IIでは、かなりのカルボン酸ガスを吸着し、層間が更に広がることがわかった。このように層間でのゲスト分子の配列を制御することにより、カルボン酸ガスの吸着特性を制御できることがわかった。 一方、アルデヒドについては、吸着により層間距離に大きな変化がなく、カルボン酸とは吸着機構が異なっていることが分かった。そこで、その吸着機構を明らかにするために、^<13>C enrichアルデヒドガスを用いた実験を行った。ホルムアルデヒドの場合、吸着された分子は、層間のポリアミンの末端アミノ基によって、自己酸化還元反応を起こし、メタノールとギ酸に変化し、表面や層間に吸着されていることが判った。つまり、ホルムアルデヒドの場合は、インターカレーション化合物によって触媒作用を受け吸着されていることが判った。他のアルデヒドについても検討中である。
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