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1999 年度 実績報告書

高反応性有機ホウ素反応剤の複雑な系での活用

研究課題

研究課題/領域番号 10650843
研究機関東京工業大学

研究代表者

小林 雄一  東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (90153650)

キーワードオクタロン / ステロイド / アリルカップリング / カップリング反応 / ニッケル触媒 / ホウ素化合物 / ボレート
研究概要

近年,人工妊娠中絶薬(RU486)が開発され,話題となっている。この分子は19-ノルステロイド(19位メチル基の無いタイプ)の11位にρ-(NMe_2)C_6H_4基を有しており,19-ノルステロイドから合成されている。しかし,19-ノルステロイドは非天然型であり,天然型(19位メチル基のついているタイプ)への移行が望まれる。しかし,現行法は11-置換天然型ステロイドには対応していない。そこで我々はこの目的を達成するため,モデル化合物として8-acetoxy-octalone-Δ^<1(9)>-2(1)を選び,我々の開発したボレートを用いてこの化合物の8位に芳香環を立体選択的に導入する反応を検討した。
初めに,フェニルボレート[PhBMe(OCHMeCHMeO)]Li(2)を用いて1との反応を検討した。反応は60℃で進行し,目的化合物[8-phenyloctalone-Δ^<1(9)>-2(3)]が選択的に生成した。この反応の立体選択性は(β-Ph:α-Ph=>93:7)であり,しかもその選択性は出発物質1のacetoxy基の立体化学には影響されなかった。この反応を用いて,ρ-MeC_6H_4,ρ-MeOC_6H_4,ρ-PhC_6H_4,P-(NMe_2)C_6H_4を導入できた。なお,既存の反応剤(PhZnCl/Pd,Ni cat.系,PhSnBu_3/Pd cat.,LiCl系)を1と反応させたところ,目的化合物は得られず,代わりに還元体が生成した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Nakayama,G.B.Kumar,Y.Kobayashi: "Synthesis of 10, 11-Dihydro Lenkotriene B4 Metabolites via a Nickel Catalyzed Coupling Reaction of cis Bromide and trans Alkenyl Borates"J. Org. Chem.. 65・3. 707-715 (2000)

  • [文献書誌] 小林雄一: "有機ホウ素アート錨体を用いるカップリング反応と有機合成への応用"有合化. 57・10. 845-855 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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