• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

活性調節機能を有する複合型超分子構造体の構築とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 10650844
研究機関東京工業大学

研究代表者

池田 博  東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (70201910)

キーワード超分子 / シクロデキストリン / クラウンエーテル / 分子認識
研究概要

アミノ酸であるトリプトファンのように疎水性部位とイオン性部位とを持ち合わせたゲスト分子を有効に認識するためには、その両方を認識する部位を有するホストを構築する必要がある。シクロデキストリン(CD)は疎水性分子を認識するのに優れたホストである。一方、クラウンエーテルは正電荷イオンを認識するのに優れたホストである。そこで、この2つを結合するれば、疎水性部位とイオン性部位とを認識するホストを構築できる。また、イオン性部位として酸性溶液におけるトリプトファンの四級アンモニウムを選んだ場合、溶液のpHに依存させた分子認識活性の調節機能を持たせることができる。ところで、CDには、一級水酸基側と二級水酸基側の二種類の疎水性空洞出口が存在する。ゲストのイオン性部位がどちら側の部位を向いてCD空洞に包接されるかは、ゲスト分子全体とCD空洞との様々な相互作用によって決まる。したがって、どちら側の水酸基にクラウンエーテルを導入するかが問題である。
そこで、CDの一級水酸基側にクラウンエーテルを導入した修飾CDと二級水酸基側にクラウンエーテルを導入した修飾CDの二種類を合成し、それらのトリプトファンに対する結合能力のクラウンエーテルを導入したことによる効果を検討した。一級水酸基側修飾体の結合定数の向上は小さかったが、二級水酸基側にクラウンエーテルを導入する事により6倍程度の結合定数の向上が見られた。また。包接複合体の構造を2次元NMRスペクトルにより解析し、トリプトファンはアンモニウムイオンを二級水酸基側に向けて包接されていることを確認した。この結果から、CDに結合能力を向上させる部位を新たに導入する場合、どちらの水酸基側に認識部位を導入するかが重要であり、トリプトファンの場合二級水酸基側にイオン認識部位を導入することが有効であることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] I.Suzuki,H.Ikeda, et al.: "Crown Ether-Tethered Cyclodextrins : Superiority of the Secondary-Hydroxyl Side Modification in Binding Tryptophan"J.Chem.Soc.,Perkin Trans.2. 1705-1710 (2000)

  • [文献書誌] H.Ikeda,Y.Horimoto, et al.: "Artificial Holoenzyme for the Benzoin Condensation Using Thiazolio-Appended β-Cyclodextrin Dimer"Tetrahedron Lett.. 41. 6483-6487 (2000)

  • [文献書誌] T.Aoyagi,H.Ikeda, et al.: "Fluorescence Properties, Induced-Fit Guest Binding and Molecular Recoginitio Abilities of Modified γ-Cyclodextrins"Bull.Chem.Soc.Jpn.. 74. 157-164 (2001)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi