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1999 年度 実績報告書

極めて強力な新しい電子供与体,アズレニルキノジヌタン類の効率的合成と機能開発

研究課題

研究課題/領域番号 10650855
研究機関近畿大学

研究代表者

武隈 真一  近畿大学, 理工学部, 助教授 (00171629)

キーワード電子供与体 / アズレニルキノジメタン類 / 効率的合成 / 機能開発
研究概要

アズレン-1-カルボン酸メチル(1)と1/4モル量のテレフタルアルデヒドを酢酸に溶解し,希塩酸を加え,室温(25℃)で2時間かき混ぜたところ,1,4-ビス[ジ(3-メトキシカルボニルアズレン-1-イル)メチル]ベンゼン(2)が収率92%以上得られた.次に,化合物2をクロロホルムに溶解し,2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(DDQ)で酸化したところ,新規アズレニルキノジメタン化合物の7,7,8,8-テトラキス(3-メトキシカルボニルアズレン-1-イル)-p-キノジメタン(3)にほぼ定量的に転換されることが判った.これら生成物の構造はUV/VIS,IR,MS,^1Hおよび^<13>C-NMRスペクトルを測定し,それらの解析結果から決定した.なお,生成物2と3の経済的かつ高効率的合成法を確立し,化学構造を決定し,さらには生成機構についても解明できたことは注目に値する.さらに,電子受容体[即ち,テトラシアノエチレン(TCNE),7,7,8,8-テトラシアノ-p-キノジメタン(TCNQ)あるいはDDQ]と速やかに電荷移動錯体を形成する3の熱分析(TGA/DTA)結果と電気化学的挙動(CV/DPV)についても鋭意検討し,3を実用有機電子材料として使用するための大変重要な知見を得ることにも成功した.また,WinMOPAC V2.0分子軌道計算ソフト(半経験的分子軌道法,ハミルトニアン:AMI)を用いて,3の分子構造(最適化構造),生成熱ならびに電子状態(π-HOMOとπ-LUMOの分布とギャップ)等についても鋭意検討した.なお,今回我々が開発した合成方法を活用すれば,色々な7,7,8,8-テトラアズレニル-p-キノジメタン類が経済的かつ高効率的に得られることも確認できた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 武隈真一他3名: "Preparation and Characteristic Properties of 1,4-Bis(3-guaiazulenylmethylium)benzene Bishexafluorophosphate"Chem.Lett.. 1999. 999-1000 (1999)

  • [文献書誌] 武隈真一他3名: "3,3',3'',3'''-(p-キノジメタン-7,7,8,8-テトライル)テトラアズレン-1,1',1'',1'''-テトラカルボン酸テトラメチルの効率的合成と特性"日本化学会誌. 2000. 107-114 (2000)

  • [文献書誌] 武隈真一他2名: "Preparation and Structure of Tetrakis(6H-indolo[2,3-6]guinoxalinato)dinickel(II)"Chem.Lett.. 2000(印刷中). (2000)

  • [文献書誌] 武隈真一他3名: "X-Ray Crystal Structure and Electrochemical Behavior of(5R,-5'S)-5,5'-Biguaiazulene-3,3'(5H,5'H)-dione"Chem.Lett.. 2000(印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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