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1998 年度 実績報告書

自己組織性を有するイオン伝導性高分子の創製とその特性化

研究課題

研究課題/領域番号 10650872
研究機関東京理科大学

研究代表者

小出 直之  東京理科大学, 理学部, 教授 (30084346)

キーワード液晶高分子 / 自己組織性 / イオン伝導性高分子 / ポリエーテル / スメクティック相
研究概要

自己組織性とイオン伝導性との関係を明らかにするために側鎖型液晶性ポリエーテルを合成し、得られた側鎖型ポリエーテルとアルカリ金属塩との混合系の熱転移挙動およびイオン伝導性について検討した。イオン伝導性高分子としては、ポリエチレンオキシドと類似構造をもつ一環系側鎖型ポリエーテルを用いた。一環系側鎖型ポリエーテルは側鎖末端のメチレン鎖が4から12でスメクチック相を発現した。これらの液晶性あるいは非液晶性ポリエーテルと過塩素酸リチウムとの混合系においてもスメクティク相が観察された。液晶温度範囲は塩濃度が増加するにともない広くなった。非液晶ポリエーテルと過塩素酸リチウムとの混合系で液晶性が発現する理由のひとつとして側鎖末端のメチレン鎖の結晶性があげられることを見いだした。X線回折測定より混合系が発現するスメクチック相の層間隔は液晶性ポリエーテルのみが発現するスメクチック相より狭くなることが明らかになった。混合系の過塩素酸リチウムの解離は、カチオンであるリチウムイオンはX光線光電子分光測定により、一方アニオンである過塩素酸イオンはラマンスベクトルによりそれぞれ確認した。
混合系の塩濃度が高いときにはイオン伝導の温度依存性はヒステリシスを示した。一方、塩濃度が低いときは混合系のイオン伝導度の温度依存性をVogel-Tamman-Fulcher(VTF)の式を用いて検討ところ、活性化エネルギーが等方相よりも液晶相の方が大きかった。このことから等方相と液晶相でイオン伝導の機構が異なると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Kawamura, T.Kikuchi, and N.Koide: "Mesomorphic properties of side chain type polyethers containing metal salts" Molecular Crystals and Liquid Crystals. 318. 87-100 (1998)

  • [文献書誌] 川村兼司,小出直之: "側鎖型液晶性ポリエーテル・アルカリ金属塩混合系のイオン伝導性" 高分子論文集. 56・4. (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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