研究概要 |
本研究において使用した風洞はゲッチンゲン型であり、風洞の吹き出し口は400×400mm、である。模型はL=140mmの回転放物体と長350mmの円筒からなる。放物体背後の剥離領域における非定常特性を定量的に求める。熱線流速計は当該科研費で平成10年度購入のKANOMAX IHW-100である。全測定点数は132となる。プローブはX型を使用しンプリング周波数は4kHzである。計測された流速変動などから以下のことが解明された。[次頁、研究論文の1、発表予定の1] 1 熱線流速計を用いた速度計測 高迎角になると一次剥離線近傍の縦渦は層流状態を保持しているが、背後対称線θ=180°付近の再付着領域は遷移的な流れに変化し、一次剥離線と二次剥離線の間に存在する一次渦、二次渦の領域では、物体後方に向かうにしたがって遷移領域から乱流渦領域に変化している事が分かった。この場合、乱流渦領域の存在範囲は局方向に見ると124°<θ<158°である。α=40°,Re=9.0×103ではy方向速度成分vのr.m.s.分布から物体全領域にわたりθ=146°付近にr.m.s.値の大きなピークが存在する事が分かっが。この位置は可視化像と対比すると遷移領域の背中側近傍であり、層流渦領域内にあるといえるが、低周波の変動の振幅が大きくなっているため、r.m.s.値が高くなる。α=50°,Re=9.0×10^3におけるr.m.s.ピークはα=40°より高くなっている事が分かった。 2 PTV法による速度計測 当初は高速度カメラ〈PHOTORON社製、FAST CAM-Rabbit)を使用していたが、フレームレートは240(p.p.s.)である。トレーサー90ミクロン平均にしたが不充分なので当面ビデオは使わないことになった。その後、中判カメラとしてマミヤプロSDなどを用い最高の感光感度でASA3000の増感処理をおこないレーザーシート光を2色に分離しスキャンビームにすることで速度計測が可能な段階に至っている。
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