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波浪推進装置は波浪を船体の推力に変換する装置であり、方向波中での波浪推進装置の性能を把握するためには無拘束の自走模型実験を行う必要がある。そのため必要な模型船を準備し、また様々なセンサーを設計、選択し組み込み、自走状態で模型船の運動状態を計測、把握するシステムを構築する必要がある。98年度はハードウエアの準備として、自走模型の設計試作、波浪推進装置の試作、センサーの性能試験、模型船への取り付けをおこなった。模型は単胴および双胴模型を試作した。センサーとしては翼揚力および抗力を計測するための2分力計とアンプを設計制作、翼上下運動角計測装置、また軽量小型の容量式波高計および小型ジャイロ角速度計測装置を試作した。またソフトウェアの準備として、データ収集システムの構築をVisual Basicを用いて行い、予備実験の準備を進めた。その上で、方向波中での基礎的なデータ収集試験を、本学の角水槽でこの自走模型に搭載した計測システムを用いておこなった。その結果、全ての方向波中での双胴波浪推進船の自走実験に成功し、船体運動と波浪推進装置の基礎的なデータを一部得ることに成功した。ここまでは全て自作模型によるものであり、より精度の高い模型を用いた実験の必要性が明らかになった。99年度には高精度の翼および船体模型を用い実験を行う。また、角度検出センサーを組み込み、より高速に作動するデータ収集システムを再構築し、十分なデータ収集を行う必要性が明らかになった。
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