(1)組立シミュレーション 前年度はニューラルネットワーク(ホップフィールドネットワーク)を利用して平板ブロックの最適化を検討したが、引き続き、立体ブロック搭載の最適化のシミュレーションを遺伝的アルゴリズムを応用して行うプログラムを開発・適用した。結果を論文にまとめ、平成12年日本造船学会秋季全国大会で発表した。また、これまでに研究した工作精度全般についてとりまとめ、「工作誤差の発生要因とその対策」として、造船学会誌に投稿すると同時にH12年度溶接学会秋季全国大会で講演した。併せて英訳し米国の学会にも投稿した。 (2)人体モデルによる作業性シミュレーション シミュレーションソフトTransom Jackを購入し、溶接作業者をコンピュータ上でモデル化して(ヒューマンモデル)、組立作業時の身体負荷をシミュレートした。今年度は(1)造船安全の調査研究と(2)重筋作業作業時の動的負荷解析を行った。前者では造船災害の実体を統計調査し、墜落・転落が最も頻度が高いことを明らかにし、その代表例として高所作業と梯子の昇降を取り上げ、それぞれに対し、身体負荷をバーチャルヒューマンモデルで求め、災害発生要因について考察した。後者については、造船の現場をビデオ観察した上、取付職や玉掛職それぞれについて、静的負荷解析、腰椎解析および消費エネルギー解析を行い、それぞれが許容値に納まるよう作業基準を提案した。両者とも、平成12年度および13年度の日本造船学会講演会で発表した。また、前年度の研究成果を米国の造船学会に投稿し、平成13年6月デトロイトで開催された講演会で発表した。
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