研究課題/領域番号 |
10650909
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
斎藤 公男 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (50029279)
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研究分担者 |
今井 康貴 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (90284231)
高木 幹雄 広島大学, 工学部, 教授 (00038556)
信川 寿 広島大学, 工学部, 教授 (60034344)
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キーワード | 沿岸域 / クロロフィル / CZCS / LANDSAT TM |
研究概要 |
本研究では、地球観測衛星からのリモートセンシングデータによる沿岸域の海洋環境評価手法を確立することを目的としている。海洋環境評価の指標として植物プランクトン濃度を用いた。海洋における生態系ピラミッドを支えているのは植物プランクトンによる基礎生産である。そこで、植物プランクトン濃度を知ることが出来れば、海洋の状態・活性度を知ることができると考えた。 植物プランクトン中には、クロロフィル色素が含まれており、440nm付近の波長の光を吸収する性質をもつ。プランクトン自体は光を散乱するので、プランクトン濃度によって水色が変化する。この変化を人工衛星でとらえ、クロロフィル濃度を推定した。求まったプランクトン濃度を海上実測値と比較し、推定方法の精度をみた。 沿岸地域、特に開発の進む東京湾や大阪湾を中心として、調査船により海上計測されたデータと、人工衛星データ解析結果との比較を行った。まず、沿岸域におけるクロロフィル推定のために特化されたCZCS(Coastal Zone Color Sensor)により収集されたデータを用いてクロロフィル濃度を求めた。ただし、衛星データの分解能は800mであり、湾内の変化を捉えるためには、より高分解能のセンサが必要である。 次に、Landsat TMにより収集されたデータを用いてクロロフィル濃度を求めた。分解能は30mである。現在クロロフィル濃度推定法として提案されている推定モデルの中で、海上実測値と最も合致するモデルを調べた。そのモデルを適用し、海上実測値の無い日付の衛星データからクロロフィル濃度を推定するシステムを作り上げた。
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