研究概要 |
本研究では、GIS(地理情報システム)を利用して、地質的な条件や法的規制区域はもとより、自然環境や社会環境、さらには経済条件等の種々の外的要因を満たした上で、採掘可能な骨材資源量を検索,評価できるシステムを構築した。 研究成果の概要は、以下の通りである。 1.GISは汎用性を考慮して、パーソナルコンピュータで稼働するシステムとし、ソフトウェアとしては、Windows版のArc View3.1を採用した。 2.骨材資源データべースは、地質、地形、開発規制区域、環境、経済の5つの情報群として構築した。これらのサブシステムを有機的に結合させて、実用上の可採域や可採資源量を能率的に検索できるシステムとした。 3.地質情報サブシステムでは、既存の1/100,000表層地質図をイメージスキャナで読み取り、デジタル化する一連の作業を行い、表層地質べクトルデータを作成した。 4.開発規制区域情報サブシステムでは、環境庁自然保護局発行の自然環境情報GlSのCD-ROMデータを用いて、居住地域、国立・国定公園、自然環境保護地域、国設鳥獣保護地域の分布をGIS上でデータベース化した。 5.環境情報サブシステムでは、環境庁が実施した第3回及ぴ第4回植生調査によるデータを利用して、植生自然度と植生分布に関するデータべースを構築した。また、GIS機能を用いて採石場の可視領域を解析する方法を確立した。 6.経済情報サプシステムでは、骨材資源の経済的開発可能地域を、次の算定式に基づき求めた。R=K×P^<1/2> ここで、R:開発可能半径(km)、P:人口(万人)、K:定数(3〜7)市町村庁の位置座標をデータ入力し、GISのバッファ機能利用して、人口に基づく経済的開発可能域の導出を行った。 7.可採資源量の算出法としては、骨材資源岩石分布域、開発規制区域、経済的開発可能地域の各情報データべースから1kmのラスターデータを作成し、各メッシュに該当する場合は「1」、該当しない場合は「0」を付与することによりメッシュを2値化した。再分類した3つのラスターデータ間てGISのマップ演算機能を利用して、採掘可能なメッシュを求めた。このメッシュ数をもとに、次式により可採資源量を算出するシステムを確立した。 司採資源量(ton)=開発可能面積(1メッシュ=1km^2)×開発深度(m)×岩石単位体積重量(ton/m^3)
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