研究概要 |
3つのWxタンパク質を全て欠失したモチタイプから,全て発現する野生型までの計8タイプのWx夕ンパク質欠失系統を用いた試験で,Wxタンパク質の二重欠失すなわち3Wx遺伝子のいずれか一つが発現する3タイプの結果をもとに個々のWx遺伝子のアミロース合成能力を比較したところ、Wx-Blaが最も高く,次いでWx-Dla,WxAlaの順であることを明らかにした.一方,3Wx座のいずれか一つにnull対立遺伝子をもつ3タイプの比較から,WxAlb,WxDlbに比べWx-Blbが最もアミロース含量を低下させることが分かった. これまで,アミロース含量と粘弾性の間に負の相関が指摘され、Wx座の粘弾性への効果が示唆されるが,その関係は明確でなかった.そこで,Wx遺伝子が座乗する7A,4A,7D染色体それぞれの組換え系統集団を用いて,粘弾性の変異とWx座との関係を解析した.いずれの集団でもアミロース含量とブレークダウンの間に負の相関関係があったが,4A染色体集団ではWx-Blbによるアミロース含量の低下が明らかに最高粘度とブレークダウンを高め、7A染色体のWx-Al座の粘弾性に対する効果は認められなかった.7D染色体のWx-Dl座では、Wx-Bl座より効果は小さいがnull対立遺伝子がブレークダウンを高めることが分かった.
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