• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

核コード葉緑体リボソームタンパク質遺伝子の発現調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 10660006
研究機関東京大学

研究代表者

堤 伸浩  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00202185)

キーワード葉緑体リボソームタンパク質 / rps1 / rpl21 / norflurazon / 光脱色
研究概要

近年の研究から核ゲノムにコードされた光合成関連遺伝子,Rubisco小サブユニット遺伝子(rbcS)やクロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子(cab)の転写が葉緑体側からのシグナルによる影響を受けていることが明らかになっている。カロチノイドを欠損した突然変異体や薬剤でカロチノイドの生合成を阻害した植物に強い光を当てると,励起状態のクロロフィルが生むラジカルを消去できずに,クロロフィル自身を含む葉緑体の各種成分が酸化され,その結果として葉緑体の分化が起こらず白色の植物となる。この現象は光脱色(photobleaching)と呼ばれる。このとき細胞質やミトコンドリアのタンパク質の量はほぼ正常であるが,cabやrbcSなど核コードの光合成関連遺伝子の発現が転写レベルで抑制されている。以上のような事実から葉緑体の分化が阻害されると,葉緑体から何らかのシグナルが生じ,これが核に伝わり,光合成に関連する核ゲノムコードの遺伝子の転写を止めるというモデルが提唱されている。これは葉緑体側からも核コードの葉緑体遺伝子の転写をコントロールする何らかの情報伝達経路の存在を示している。
本研究においてイネの発芽時にカロチノイド生合成の阻害剤norflurazonを処理して光脱色させたイネの葉で葉緑体リボソームタンパク質遺伝子rps1,rpl21の転写物の蓄積を調べたところrbcSやcabでは未処理で育てたものと比べて光脱色させた葉では転写物の蓄積量がはっきり減少していたのに対し,rps1とrpl21では未処理の葉と光脱色させた葉で蓄積量に違いは見られなかった。このことから核コード葉緑体リボソームタンパク質遺伝子は葉において葉緑体の分化の状態に関係なく構成的に転写され,核コードの光合成関連遺伝子とは異なる転写制御を受けていると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kusaka,M.: "Characterization of two rice genes for nuclear-encoded chloroplast ribosomal protein L12 and phylogenetic analysis of the agnisition of ・・・・" Theor.Appl.Genet. 97. 110-115 (1998)

  • [文献書誌] Arimura.S: "Genomic Structures and the 5'-flauking regions of the nucleargenes for chloroplast ribosomal proteins L13 and L24 of rice." Breed.Sci.48. 145-149 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi