根粒着生能力の異なるエンレイ(根粒着生系:対照品種)、En-6500(根粒超着生系)、En-bO-l(根粒超着生系)およびEn1282(根粒非着生系)の4品種を供試し、圃場およびポット条件での窒素施用量、肥料形態、土壌水分、気温、光強度が窒素吸収量、根粒由来窒素量、根粒比活性などに及ぼす影響について検討した。根粒由来窒素量の推定には相対ウレイド法を用いた。 1. 圃場条件での根粒重についてみると、根粒超着生系の根粒重は対照品種のエンレイの約4倍であった。根粒重は窒素施用量の増大によって減少するが、化学肥料N 17g/m^2まではその影響が小さく、化学肥料(表層施用)に比べて緩効性肥料(地下20cm施用)の方が根粒重の減少が小さいといえた。また、根粒重と土壌溶液中の窒素濃度には強い負の相関関係が認められ、根粒重の確保のためには、根粒着生部周辺の土壌溶液中の窒素濃度の上昇をさける工夫が有効であることが確認された。 2. 初期生育の遅い根粒超着生系の全窒素吸収量はエンレイに比較して小さかったが、根粒由来窒素量はほぼ等しく、従って、根粒貢献度(根粒由来/全吸収量)は根粒超着生系が大きく、エンレイより9〜18%高かった。 3. 根粒比活性は根粒重が最大となる子実肥大開始期(R5)に最高に達するが、根粒超着生系はエンレイの約1/4の低レベルであった。すなわち、根粒超着生系では根粒重が多いものの、比活性がそれに反比例して低くなっており、根粒に分配される光合成産物が制限因子になっているものと推察された。 4. 根粒活性には土壌窒素に次いで土壌水分と光強度の影響が大きく、処理開始後2日目からその影響が現れ、気温の影響は比較的小さいことが判明した。
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