本研究では「ふれあい自然」の保全や整備、管理に関する体系的な空間計画論、特に広域での配置論を構築する上で重要な、自然に対する認識と親しむ活動からみた都市および都市周辺自然の評価について検討することを目的とした。 小学生から高校生までの子どもが描いた、自宅周辺のお気に入りの自然観察路マップを分析し、マップ上に描かれる要素の分析から、子どもが強く認識する動植物にはどのような種や種群があるか、また子どもがその動植物を認識する要因としてどのような特性があるかについて明らかにした。認識要因としては、(1)動植物のもつ物理的諸特性に関する認識要因、(2)親しみやすさに関する認識要因、(3)媒体による情報・知識に関する認識要因、(4)出会いやすさに関する認識要因、の4要因が抽出された。 また、首都圏を中心とする都市周辺域における自然とのふれあい活動の場に関する調査を通して、実態の把握、評価、空間計画という、ふれあい活動の場としての観点からの自然の取り扱いに関する計画方法論について考察を加えた。
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