研究課題/領域番号 |
10660034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
増田 昇 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00181652)
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研究分担者 |
加我 宏之 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (00326282)
下村 泰彦 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (50179016)
上甫木 昭春 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (70152858)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 農空間 / パートナーシップ / ワークショップ / ため池総合オアシス整備事業 / 維持管理 / 住民参加 / ため池 |
研究概要 |
本研究は、全国に先駆けた住民参加型の「大阪府ため池総合オアシス整備事業」をケーススタディとして、農空間の整備・管理におけるパートナーシップの解明を試みた。具体には、堺市金岡地区と熊取町熊取地区(長池地区)を対象に一連の計画プロセスにおける住民参加方式の利点と問題点を探り、さらに計画プロセスの各段階での意思決定のメカニズムの解明を試みた。次いで、事業が完了し維持管理段階にある6池を対象に住民参加型の維持管理方式を解明し、課題や今後の方向性を探った。 その結果、まず、住民参加活動においては、地域事情に詳しい地元行政と、行政と住民の間に立つ専門家との役割が重要であることや、行政、専門家、住民間の連携の重要性が確認できた。ワークショップに関しては、公募方式による幅広い層からの住民参加を要請することや、教育プログラムを組み込む等の運営面での見直しが必要である。次いで、意思決定のメカニズムに関しては、生物の保全性、景観性、利用性、運用面、管理面、生活面に関連する決定要因には「重み」がある。この重みは、各要因によって一定ではなく、計画プロセスの段階によって変化し、基礎的知識の蓄積がない基本構想での要望を具体化する段階や、それ以後の案を評価する段階、意思決定する段階で重要となる。加えて、整備完了後の住民参加型維持管理を見据えた場合、維持管理や運営に関するソフト面でのプログラムも計画プロセスの早期から検討される必要がある。その際、整備後の維持管理の担い手となりうる関連主体が計画プロセスの初期段階から参加していることが重要であり、特に、計画プロセスの中での組織化が非常に有効である。さらに、維持管理段階においても組織を形成し、役割分担の明確化により各主体の管理負担の軽減を図るとともに、共同作業を通じて共有意識を芽生えさせるような仕組みづくりがより大きな効果を生み出すものと考える。
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