• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

ツルランの遺伝的多様性とその保護に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10660039
研究機関九州東海大学

研究代表者

水谷 高幸  九州東海大学, 農学部, 講師 (40241187)

キーワードツルラン / アイソザイム / 西表島 / 遺伝的多様性
研究概要

沖縄に自生していたツルランを13種類のアイソザイムについて分析した結果,7種類のアイソザイム,すなわちGOT,IDH,MDH,ME,PGI,6-PDHおよびSADHで酵素多型が観察された.特に,GOT,MDHおよび6-PDHはツルランの種内のアイソザイム分析に有効であった.
本研究に先立って行った西表島南西部のウダラ川流域のツルランの3つの群落の生態調査の結果確認された48個体についてアイソザイム分析を行った.これらの個体間では上述の7種類のアイソザイムにおいて高い遺伝的多様性を示した.
西表島のウダラ川の3つの群落のうち1つの群落Bについてそれぞれの個体のアイソザイム分析を行った結果,ほとんどの個体が4〜5種類のアイソザイムを用いることで個体識別することが可能であった.このことは,この群落に自生する個体のほとんどは種子繁殖によって得られた実生群で,しかもツルランは高い他殖性を示す植物であることを示したのもと理解された.しかし,群落内で隣接していた2個体では7種類のアイソザイムでは識別できなかった.このことは,これらの個体が栄養繁殖によるクローンであると考えられ,ツルランは群落内で種子繁殖と栄養繁殖をすることで種を維持していると考えられた.
これらの分析の結果は,ツルランの群落内の遺伝的多様性を明確にしただけでなく,個体の識別も可能であることを示した.このことは西表島のツルランの群落の保護のための基礎的研究として有用であると思われた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 水谷高幸・岩田修・田中孝幸: "Isozymc variation within thc population of Calanthe triplicata in Iriomote Island" Proceedings of NIOC,98,Nagoya,Japan. 9. 120-127 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi