研究概要 |
1. 当初計画したjuvenile hormone(JH)応答配列の候補を利用したyeast one-hybridクローニングは残念ながら、今のところ生物学的意義のありそうなクローンを単離するには至っていない。one-hybridライブラリーを再構築してざらにスクリーニングを進める予定である。 2. 当初計画にはなかったが、別のアプローチを開始している。エクダイソン(20E)にせよJHにせよ標的遺伝子からの転写を調節するにはこれら核内レセプターが、クロマチンの構造変化をもたらし基本転写因子複合体との橋渡しをするcoactivatorと物理的に相互作用することが必須と考えられる。そこで、仮想的なJHレセプターあるいは20Eレセプターと相互作用するcoactivatorの候補としてCREB binding protein(CBP),BX42,GCN5、基本転写因子としてTATA binding protien(TBP)のクローニングを計画した。 3. まずRT-PCRを用いて、これら4種の因子の部分クローニングを行い、それぞれについて、他の生物種のhomologとhomologyを示すPCR断片を得た。 4. 次にこれらの断片をprobeとして、蚊の脂肪体・卵巣mRNAから作製したcDNAライブラリーをスクリーニングし、それぞれ対応するcDNAクローンを得、BX42,GCN5,TBPに関しては既に全長クローンの塩基配列を決定した。 5. 今後はこれらを利用し、yeastの系でこれらの因子と相互作用する核内因子を拾う予定である。
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