研究概要 |
ジャワ島西部の赤黄色土の心土(深さ17〜46cm)の粘土画分に,特異なスメクタイト様鉱物の存在が示唆されたので,その特性を調べて明らかにした。 粘土画分のX線回折図では、Mg飽和風乾試料で15.51Å(14.63Å〜16.37Åの範囲)の回折ピークを示し、グリセロール処理後20.55Åに膨潤し移行した。K飽和風乾試料では、11.87Å(12.81Å〜11.95Åの範囲)の回折ピークが7.53Åの回折ピークにつながり、550℃へ加熱するにつれて、次第に10.05Åの回折ピークに移行し、他方の7.53Åの回折ピークは、550℃加熱処理後に消失した。ホルムアマイド処理では、7.53Åの回折ピークは10.05Åへ膨潤し移行して、ハロイサイトを示唆した。7.53Åの回折ピークは、5MNaOH処理では消失し、Mg飽和風乾試料で明瞭な15.50Åの回折ピークが残った。ハロイサイトの存在は、5MNaOH処理後の溶解成分のケイバン比が約2を示したことからも示唆された。また、5MNaOH処理後のX線回折図では、K飽和風乾試料の11.87Åの回折ピークに代り、13.49Åの回折ピークが表われた。 粉末試料のX線回折図では、060面の回折ピークは1.50Åを示し、2八面体構造のスメクタイトを示唆した。そして、Greene-Kellyテストでは、バイデライトの存在を示唆した。 以上の鉱物学的および化学的特徴から、その特異なスメクタイト様鉱物は、ハロイサイト/バイデライト混合層鉱物であると考えられた。
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