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1998 年度 実績報告書

琵琶湖内湖の底質に人間活動の記録を読む

研究課題

研究課題/領域番号 10660065
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

久馬 一剛  滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (80027581)

研究分担者 岩間 憲治  滋賀県立大学, 環境科学部, 助手 (60269727)
高原 光  京都府立大学, 農学部, 助教授 (30216775)
北川 靖夫  福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (90254242)
キーワード琵琶湖 / 内湖 / 底質コア / 粒度組成 / 鉱物組成 / 植物ケイ酸体 / 花粉組成 / 炭素年代
研究概要

残存している内湖のうち最大の「西の湖」の中央部で約70cmのコアをとり、その東に接する旧小中の湖(現在は干拓地水田)では約250cmのコアをとった。軟X線で微細構造を認め得なかったので、5cm間隔でコアを切り分析用サンプルを調整した。別にコアの一部を花粉分析に供試した。
湖底堆積物の粒度組成をみると、西の湖では粘土含量が最上部から下へ向かってほぼ単調に低下するが、砂含量は40cm付近から下で不連続に増加し、堆積物の組成に急変が生じている。小中の湖で最も特徴的なのは約180から210cmにかけて黒泥化した泥炭層および黒泥質粘土の層をはさんでいることと、230から245cmに砂含量の高い層をはさんでいることであり、その他は全体に埴壌質でシルト含量が高い。粘土鉱物の組成をみるとヴァーミキュライト質の14Å鉱物がやや多く7Å鉱物、10Å鉱物の順に含量が低下している。
細砂鉱物中の火山ガラスと植物ケイ酸体の分析や、コアの断面に沿った帯磁率の測定、重金属の分析も行ったが、深さに沿った時間軸に対応した明瞭な変化を読むことができなかった。
西の湖のコアの花粉分析の結果では、最上部数cmでマツ属とイネ科の花粉の急増が認められ、周辺の山地の人為による植生変化と平地における稲作の開始によるものである可能性が高い。
小中の湖コアの黒泥のほか西の湖コアの有機質粘土などについて炭素年代を委託分析した結果は、西の湖コアの53cm付近で5200年BP、小中の黒泥層で13000年BPと、予想よりも古い年代が測定されている。このことは堆積速度が他の内湖などにくらべてはるかに遅いことを意味しており、分析用サンプルからは約500年分の堆積物の平均値しか求め得ないことになり、それが例えば火山ガラスと時間との対応を認め難くした原因であると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 栗原宏彰ら: "琵琶湖内湖の粘土鉱物組成" 日本土壌肥料学雑誌.

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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