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1999 年度 実績報告書

細菌胞子における発芽の分子論的解析

研究課題

研究課題/領域番号 10660081
研究機関名古屋大学

研究代表者

牧野 志雄  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80000842)

キーワード細菌胞子 / 発芽 / コルテックス分解酵素 / 活性化機構 / 局在部位
研究概要

細菌胞子発芽機構の解明に向け、発芽の主要な生化学的事象である細菌胞子ペプチドグリカン(コルテックス)分解をつかさどるコルテックス分解酵素の発現時期、胞子への局在化機構をBacillus属胞子を用いて検討した。B.ceresu胞子のコルテックス分解に2種の酵素、SleBとSleL、が同じ環境下で活性を発現すること、および局在部位も同じであることからそれらが協同的に作用していることが示唆された。事実、B.cereus SelBはアミダーゼとしてコルテックス架橋部分を切断し、それによって胞子発芽の生理的現象の一つである胞子の黒化が生じるが、ムロペプチドは遊離しなかった。ムロペプチドの遊離にはSleLによるペプチドグリカン主鎖の分解が必須であった。すなわち、コルテックス分解の初期には胞子形態を確認するSleBがまず作用し、引き続き部分分解された胞子コルテックスをSleLが加水分解することを示し、コルテックスの分解は基質特異性の異なる酵素の逐次的活性化に依存することが明らかになった。SleBは分泌型シグナル配列をもつ前駆体として胞子形成III期に前胞子内で生合成され、分泌シグナルによって内膜を通過し、最終的にコルテックス層外縁部あるいはコルテックスをとりまく外膜どちらかに成熟型酵素として局在することを明らかにした。その活性が発芽時に特異的に発現する機構は不明である。一方、SleLは胞子形成II期に母細胞において生合成され、コルテックスの生合成に伴いコルテックス外縁部に蓄積する機構が考えられた。さらにB.cereusと類似の酵素によるコルテックスの分解がB.subtilis胞子においても生じていることを遺伝子レベルで明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ryuichi Moriyama: "Expression of a germination-specific amidase,SleB,of Bacilli in the forespore component of sporulating cells and its localization."Journal of Bacterilogy. 181・8. 2373-2378 (1999)

  • [文献書誌] Kanji Urakami: "Germination-specific cortex-lytic enzymes from C.perfringens S40 spores:Time of synthesis and precursor structure."FEMS Microbiolgy Letter. 174・1. 467-473 (1999)

  • [文献書誌] Yinghua Chen: "A novel spore peptidoglycan hydrolase of Bacillus cereus:Biochemical characterization and nucleotide sequence of the corresponding gene,sleL."Journal of Bacteriology. 182・6(印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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