アスコルビン酸酸化酵素(AAO)はウリ科植物の果実組織中に多量に存在する。そこで、カボチャ果実の形成段階におけるAAOの発現を調べた。その結果、AAOは受粉後14日目まで高い発現が認められたが、その後急激な発現の低下が認められた。この発現変動は、転写レベルで調節されていることがわかった。カボチャ果実は受粉後14日目まで急激な成長を示すことから、AAOの発現は、カボチャ果実の成長と相関することが示唆された。AAO遺伝子の転写段階での発現調節を解析するために、カボチャのAAO遺伝子の5'上流域のプロモーター解析を行った。AAO遺伝子5'上流城-703の位置までを、レポーター遺伝子であるGUS遺伝子に連結し、カボチャ発芽種子中にパーティクルガン法を用いて導入した。この発芽種子中のGUS活性を調べた結果、高いGUS活性が認められた。この活性は、コントロールとしてカリフラワーモザイクウィルス35SプロモーターをGUS遺伝子に連結したものを導入した発芽種子中のGUS活性よりも高く、AAO遺伝子5'上流域中に、発芽種子での高発現に関わるシス因子が存在することが示唆された。さらに、AAO遺伝子5'上流域とGUS遺伝子の融合遺伝子を、オーキシンを含む培地と、含まない培地上でインキュベートしたカボチャ果実組織中に導入し、GUS遺伝子の発現を調べた。その結果、オーキシンを含む培地上でインキュベートした組織中に高いGUS活性が認められた。この活性は、AAO遺伝子5'上流域を-493の位置まで欠失させると低下することから、-493〜-703の約200bp中にオーキシン応答性のシス領域が存在することが明らかとなった。
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