研究概要 |
ユーカリに含まれるフロログルシノール類のうち,海洋付着生物に対して強い付着忌避活性を有しているシデロキシロナールAおよびグランディナールの構造と忌避活性の関係を明らかにする研究を進めているが,本年は,グランディノールのディールス・アルダー反応の相手である化合物が,1,3,5,-トリメチルベンゼンのアシル化,還元,アルキル化,ブロム化,水酸化の行程で合成出来た.さらに,ディールス・アルダー反応によりグランディナールのメチルエーテル体の合成まで進んだ.あとは,メチル基の脱離により合成が完了する予定である.この合成によって,グランディナール,グランディナールの側鎖異性体はじめ多くの関連化合物がそろうので,平成12年度(最終年)は,初期の目的が達成できるものと確信している.シデロキシロナールA,BおよびCともに付着忌避活性は強かったが,量が少なくその他の試験が出来なかった.今年3月にオーストラリア国立大学のFoley博士から,シデロキシロナールAを多量に頂けることになっているので,実用化に向けた予備試験(海洋浸漬試験)も行う予定である.
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