平成10年度は、サイクロデキストリン(CD)で抱接したオクタコサノール(OCT)の機能発現について、流速を調整できる水流プールでの自発的水泳能を測定することにより、運動機能に及ぼす影響を評価した。その結果、CD抱接OCTの運動機能増強作用が認められ、水溶性OCTは体内へ良く吸収された後、運動機能増強作用の発現に関与していることが示唆された。 平成11年度は前年度の結果をふまえ、(1)老齢・若齢マウスへのCD抱接OCTの運動能への影響、(2)CD抱接OCT投与量の違いによる運動能への影響、(3)剤形の異なるOCTの運動能への影響とその効果消失、について検討した。その結果、(1)加齢により運動能への影響が異なること、(2)作用の強さがOCTの投与量により異なること、(3)乳化型OCTを経口投与した場合にも運動能増強作用が認められること、を明らかにした。OCTのカテコールアミン分泌に及ぼす影響を明らかにするために、運動機能増強作用が認められたddY系雄マウスの血液、副腎等のアドレナリン、ノルアドレナリン量をHPLC-電気検出器で測定中である。これらの結果を総合することで、OCTの吸収量と機能の発現との関係を明らかにでき、その作用機作の解明へとつなげることができる。
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