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2000 年度 実績報告書

境界脂質を組み込んだ人工生体膜におけるペプチド、タンパク質の構造変化と活性制御

研究課題

研究課題/領域番号 10660122
研究機関京都大学

研究代表者

松村 康生  京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (50181756)

キーワード境界脂質 / 生体膜 / ペプチド / タンパク質 / 酵素 / 構造変化 / 活性制御
研究概要

ホスファチジン酸(PA)やホスファチジルイノシトール(PI)の酸性リン脂質やスフィンゴミエリン(SpM)は、生体膜中において、タンパク質に強く相互作用することによって、境界脂質として働いていると考えられている。また、これらの脂質は生体膜を構成する主なリン脂質であるホスファチジルコリン(PC)の配列状態を変化させる。本研究では、酸性リン脂質やSpMが、これらの作用を通じて、ペプチドやタンパク質の構造にどのような影響を与え、その活性発現を制御しているのか明らかにすることを目的として実験を行う。
本年度は、水と油の境界面で機能するタンパク質の一つのモデルケースとして、脂質酸化酵素であるリポキシゲナーゼ(LOX)を取り上げて、リポソーム界面における酵素の活性に及ぼす、酸性リン脂質の添加効果などを検討した。その結果、PAや、やはり負電荷を膜にもたらす脂肪酸の添加によって、LOX活性が著しく変動することを見出した。また、これらのPAや脂肪酸の添加によって、リポソームにどのような変化が起こっているのかを動的光散乱、電子顕微鏡観察、P-NMR法によって分析した。その結果、脂肪酸の添加によってリポソーム膜の構造が壊れて、逆へキサゴナール構造をとり、膜の融合が促進されていたり、PAの添加によって、ごく小さいベシクルやミセル状の構造が新たに形成されていることが判明した。以上の結果により、構造脂質は生体膜の構造を修飾することにより、膜上における酵素反応を制御していることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Saka,T.Mori and Y.Matsumura: "Reaction of soybean lipoxygenase-3 in emulsions as affected by emulsifiers, salts and phospholipids"Colloid Surfaces B : Biointerfaces. 19. 187-196 (2000)

  • [文献書誌] Y.Mizutani,Y.Matsumura et al.: "Factors affecting reaction of cucumber root lipoxygenase in phospholipid vesicle dispersions"Biochim.Biophys.Acta. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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