研究課題/領域番号 |
10660132
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
中山 勉 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (50150199)
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研究分担者 |
熊沢 茂則 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (10295561)
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キーワード | hydrogen peroxide / HPLC / ECD / electro chemistry / analytical chemistry / SOD / antioxidant / cigarette smoke |
研究概要 |
本研究は「SODの本来の役割は、O_2が関与する生体内抗酸化物質や還元物質の自動酸化とそれに伴うH_2O_2生成を抑制することにある」という仮説を、H_2O_2生成量の正確な測定を基に証明することを目的としている。本年度は、昨年度確立した選択性と感度が高いHPLCによるH_2O_2分析法を用いて、タバコタール、コーヒー、エリソルビン酸それぞれの自動酸化過程におけるH_2O_2の生成量を測定した。さらにSODの効果も調べた。 (1)タバコタール:市販の紙巻きタバコから出る主流煙をヒトの喫煙条件に近い形でろ紙上に集めた。これを緩衝液に溶かし、タバコタール溶液とした。この溶液中に生成するH_2O_2をHPLC-ECD法で分析した。H_2O_2濃度は経時的に増大し、SODはその生成を抑制した。以上の結果はタバコタール中に含まれる還元物質の酸化過程にスーパーオキシドが関与していることを示している。 (2)コーヒー:市販の缶コーヒーおよび、同じメーカーの製品で無酸素的に調製した缶コーヒーに含まれる過酸化水素を定量した。その結果、無酸素的に調製した缶コーヒーのH_2O_2濃度がはるかに低いことを明らかにした。ただしSODの抑制効果は見られなかった。 (3)エリソルビン酸:エリソルビン酸水溶液中のエリソルビン酸の減少量とH_2O_2の生成量を同時に測定する方法を確立した。SODは両者とも遅らせることから、エリソルビン酸の自動酸化過程にスーパーオキシドが関与することが明らかになった。
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