研究概要 |
漏脂病と樹脂胴枯病感染ヒノキと樹脂胴枯病感染ローソンヒノキの3種の分析材料を入手し,成分化合物の分析を進め,単離されて化合物の病原菌生育試験を行っている. 1. 漏脂病感染ヒノキにおける樹皮ジテルペンの分布. 樹齢25年の漏脂病感染ヒノキ1本の樹皮を92カ所で採集し,それらの抽出成分をガスクロマトグラフ(GC)で分析した.患部を中心にラブダン系ジテルペンが大量に見いだされ,患部から離れた悲感染部ではジテルペンの2量体が見いだされた.このジテルペンの2量体は新化合物であった.今後各ジテルペンの量変化を分析していく. 2. 樹脂胴枯病感染ローソンヒノキから得られたテルペン. 樹病感染ローソンヒノキの樹脂,樹皮,材の抽出物から8種のジテルペンと4種のセスキテルペンを単離した.これらの内4種は新化合物であった.これらテルペン存在下で病原菌であるSeiridium uniconeの菌糸伸長試験を行った.テルペンには抑制効果を示すものがあったが,抽出物では抑制効果は弱かった.S.uniconeのローソンヒノキ樹皮での生育に大きな阻害物質は少ないと考えられる. 3. 樹脂胴枯病感染ヒノキの分析. 香川県で採集された樹脂胴枯病感染ヒノキの枝の樹脂を分析している.GCによる分析では漏脂病感染ヒノキの樹脂とは異なるパターンを示している.
|