ニューラルネットワークを用いたタワーヤーダの適正架線位置決定法を開発し、タワーヤーダ作業への適用を試みた。また、実作業の調査、分析結果をもとに、確率密度関数を用いた作業功程推定法を用いて、架線長、架線数の変化による作業功程、作業経費の変動を推定した。その結果、ニューラルネットワークによるタワーヤーダ架線位置決定法を使用すると、実作業現場の配置結果にくらべ、木寄距離、集材距離の面で改善が認められることが明らかにされた。さらに、実作業を対象にタワーヤーダ架線の架設数を変化させ、生産性、コスト面から適正な索配置を検討した結果、大型機種の場合でも、架線長100〜150mの小区画に分割した作業方法が最も効率的であることが明らかにされた。以上の結果から、生産量の増大や適応範囲の拡大をねらったタワーヤーダの大型化は、コスト、作業功程の面で逆効果であり、旧来型架線集材を大型タワーヤーダで置き換えた集材システムは、路網密度の低い作業地などで過渡的な作業システムとして利用されるべきであることが明らかにされた。さらに、中、小型タワーヤーダを対象として、数種類の搬器を用いた実作業の時間観測調査、索引出負荷の測定実験を行った。これらのデータの分析を行った結果、強制降下式搬器を用いることによって索引出に必要な力が20から50%減少し、作業負荷の軽減と作業生産性の向上につながることが明らかにされた。また、索引出、木寄せ作業時の索の振動計測が終了しており、今後分析を進める予定でいる。
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