研究概要 |
【目的】本研究は,森林地で生起する蒸発散現象について地表面蒸発と樹木根系の吸収による蒸散とを分離推定することがねらいである。このため昨年度は,観測対象地である富士山麓試験地で測定した土壌水分の変動にRichars式を適用して流束を求め,富士山麓における林床面からの蒸発量と樹木根系による水分吸収量を推定した。今年度は,同試験地で観測したデータを基に体積含水率を評価し,これの経時的変動から蒸発量と樹木根系による水分吸収量の分離推定を行った。 【結果】解析から得られた結果を要約すると以下の通りである.適用の結果,樹木による蒸散量は1.9mm/day,林床からの蒸発量は1.0mm/dayであり,蒸発散量は2.9mm/dayと推定された。この値は降水量の50%に相当し,短期水収支法や流域水収支法で得られた値とほぼ同様な値であることを示した。
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