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1998 年度 実績報告書

樹木穿孔性昆虫の食性分化とその生態的・進化的意義

研究課題

研究課題/領域番号 10660144
研究機関名古屋大学

研究代表者

梶村 恒  名古屋大学, 農学部, 助手 (10283425)

キーワード森林昆虫 / 穿孔性昆虫 / キクイムシ / クビナガキバチ / 食性 / 生活史 / 共生菌 / 進化生態学
研究概要

平成10年度の研究によって得られた新たな知見・成果は、以下のとおりである。
1. カエデ類などの広葉樹を餌木として、各種穿孔性昆虫を採集し、その成虫脱出消長・生存期間などの基本生態を調査した。この調査は次年度以降も継続する。また、養菌性キクイムシ類の数種については、各樹種に穿孔・形成した坑道および胞子貯蔵器官から共生菌の分離を行った。さらに、クビナガキバチ類の一種において、体内に菌類が貯蔵されていること、その貯蔵器官が新しいタイプのものであることを発見した(論文投稿中)。この共生菌の分離・培養試験も実施した。
アベマキ・コナラの堅果に穿孔する昆虫の種構成と生態特性を調査した。とくに、主要種の羽化脱出パターンの違いを明らかにした(論文印刷中)。
2. 1.で検出されたキクイムシ共生菌に対する各キクイムシ種の依存度を、人工飼育による生存率、繁殖成功度などの違いとして評価した。とくに、他種キクイムシの共生菌を利用できることを見出した。この成果は、第6回ヨーロッパ国際昆虫学会(進化・分類セクション:キクイムシ科およびナガキクイムシ科の分類に関するワークショップ、開催国:チェコ共和国)で発表した(論文掲載)。また、この際に世界のキクイムシ研究者から受けた最新のレビューを基に、総説を発表した(論文掲載)。
生息場所の温度・湿度などの環境条件の分析・測定、これらの諸要因を調整した昆虫の飼育あるいは共生菌の培養実験は、次年度に行う予定である。
3. 1.の養菌性キクイムシ類やクビナガキバチ類に関する調査・実験を、5地域(岩手、福井、愛知、三重、島根の個体群で比較した。この同種地域個体群の比較調査は、次年度以降も継続する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 梶村 恒: "森林昆虫の共生菌-アングロシア菌-" 植物防疫. 52. 491-495 (1998)

  • [文献書誌] Hisashi Kajimura: "Coevolutionary interactions between ambrosia beelle and heir symoictic funoi-Potential food utilization of the ruleborini-" Proceeding of the 6th European Congress of Entomology. 338-339 (1998)

  • [文献書誌] 福本 浩士: "アベマキおよびコナラの堅果に対する昆虫類の加害様式(V)-主要種の羽化脱出消長-" 中部森林研究. 47(印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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