1. 島根大学附属三瓶演習林のアカマツ・コナラ林土壌における土壌動物群集を調べた。糸状菌食を行うと見られる動物群のうち主要な節足動物であるササラダニとトビムシの密度は1平方メートルあたりそれぞれ、2万と1万5千個体であった。 2. 土壌呼吸を林地で測定し、非破壊で採集した土壌コアを恒温器で培養することにより、土壌呼吸を根の呼吸、根圏微生物の呼吸および葉リターの分解によるび微生物の呼吸、根の分解による微生物の呼吸に分けた。 3. この土壌での年間の土壌呼吸量は炭素量で約8トンであり、その半分が根の呼吸、根圏微生物と葉リターからの炭素放出が4分の1ずつと推定され、根の分解の寄与率はわずかであった。 4. 菌根菌の形態をミニライゾトロン(パイプ内部から土壌を観察する顕微鏡カメラシステム)を用いて観察する土壌に、アクリルの透明パイプを深さ25cmまで挿入した。 5. 顕微鏡カメラシステムで土壌を観察するために、側視アダプターを作成した。カメラの照明がアクリルに反射して観察がやりにくくなる障害が生じ、側視アダプターの反射鏡の角度調整が必要であった。 6. アカマツを含んだ土壌マイクロコズムを横浜国立大学内の実験室に作成し、アカマツの根には菌根菌(コツブタケ)の人工接種を行い、トビムシ(Folsomia candida)を導入してアカマツの成長量を測定した。コブツタケの成長が遅く、この種の操作実験には別の種の菌根菌を用いたほうがよいと考えられた。
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