研究概要 |
本研究は局所地形,風向,風速,延焼速度,植生を考慮した林野火災延焼区域予測法を研究するものである.解析手順としては先ず,風に影響をおよぼす地形要素を基に作成した風力地形分類図から火災危険度地域区分図を作成する.次に,延焼方向,延焼速度,延焼時間,延焼距離を算出し,延焼拡大予想図を作成する.そして,両者を組み合わせて火災被害区域想定図を作成する.具体的には科学研究費の期間内に,本手法の理論を群馬県万場町および広島県竹原市で発生した林野火災で検証し,林野火災延焼区域予測法を提示する. 1, データベースの作成 万場および竹原の林野火災被害状況,気象状況,地形情報,植生情報についてのデーターベースを作成した.データの一部は地理情報システム解析装置であるARC/INFOに入力し,後の解析に利用しやすいように構築した.特に,竹原については十分な現地調査を実施し,多くの貴重な資料を収集した. 2, 解析結果 万場,竹原両地区について本手法を適応させた.その結果一応の有効性を確認したが,解析に個人差が入る余地があることや,植生の効果が思ったよりも低いこと等,いくつかの問題点が列記された. 3, 今後の計画 解析の自動化に向けての改善と,更なる精度の向上をはかる.
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