局所地形と風および延焼速度を考慮した林野火災延焼区域予測法に関する研究

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10660153
• 研究機関: 千葉工業大学
• 研究代表者: 小泉 俊雄 千葉工業大学, 工学部, 教授 (10083883)
• キーワード: 林野火災 / 地形解析 / 延焼予測 / 風と地形 / 防災

研究概要

本研究は局所地形、風向、風速、延焼速度、延焼距離、植生等を考慮して、林野火災の延焼区域を予測する手法を提示するものである。解析にあたってはまず解析理論を構築し、それを1993年4月の群馬県万場町および1994年8月の広島県竹原市の山林火災に適応させ、理論の検証を行う。
本年度は万場の成果をふまえて、竹原の成果をまとめて日本火災学会論文集に投稿した。しかし、(1)実用化にどうもって行くのか(2)飛び火や消防活動をどのように解析に組み込むのか(3)風速の代表値をどのようにとるのか(4)精度の向上をはかる必要があるといったいくつかの意見が出された。そこで、これらを考慮しながら再度研究の見直しを主に行った。
1、解析する地形情報のデータはこれまでは250メートルメッシュのもので行っていたのを50メートルメッシュに変更し、詳細な地形での解析を行った。
2、地形因子の抽出法について工夫、改善を加えた。特に高地の方位(高い山がどの方向にどれだけ存在するかを表す地形因子)の抽出方法に改善を加えた。
3、風向、風速を詳細に設定し、風向、風速の変化に対応した解析を試みた。
4、林相の情報を詳しく解析に取り入れた。
この結果、精度が向上し、良い結果を得る事が出来た。

研究成果

• [文献書誌] 小泉俊雄,家城啓輔: "1994年8月11日広島県竹原市に発生した林野火災の被害調査(その2)"千葉工業大学研究報告(理工編). No.47. 1-7 (2000)
• [文献書誌] 小泉俊雄,家城啓輔: "1994年8月11日広島県竹原市に発生した林野火災の被害調査(その1)"千葉工業大学研究報告(理工編). No.46. 251-272 (1999)
• [文献書誌] 家城啓輔,小泉俊雄: "1994年8月に発生した広島県竹原市林野火災の被害調査および延焼予測用データベースの構築"土木学会第53回年次学術講演会講演概要集. 120-121 (1998)
• [文献書誌] 家城啓輔,小泉俊雄: "1993年群馬県万場町の林野火災における地形を考慮した延焼予測に関する研究"平成10年度日本火災学会研究発表会概要集. 394-395 (1998)
• [文献書誌] 小泉俊雄: "A FORECASTING METHOD FOR FOREST FIRES BASED ON THE TOPOGRAPHICAL CLASSIFICATION SYSTEM AND SPREADING SPEED OF FIRE"International Symposium on Fire Science and Technology ISFST'97. 311-318 (1997)
• [文献書誌] 小泉俊雄: "局所地形および延焼速度を考慮した林野火災被害区域予測法に関する研究-群馬県万場町の林野火災を例として-"日本火災学会論文集. vol47. 33-43 (1997)