世界的に注目されている繊維作物ケナフの高知県での栽培、加工、利用によって、高知県はもとより、世界の農村地域活性化のモデルを構築することを目標に研究を行った。高知県三原村での実用規模での実証試験では、ヘクタール当り15トンの乾燥全茎が収獲された。日本の中山間地域でも容易にこの程度の収量が得られることは注目される。2000年度には20〜30トンの収穫も可能であることも分った。 中山間地域での中小規模のケナフパルプ工場を想定して、常圧パルプ化を検討した。シュウ酸アンモニウム処理と常圧ソーダ蒸解を組み合わせることによって高粘度パルプを製造できることを明らかにした。木材パルプとの差別化が可能ではないかと思われる。 ケナフの葉の未知有機酸について検討し、ハイドロキシクエン酸(=ハイビスカス酸)であることを明らかにした。高タンパク質で、乳酸醗酵なしでもpH2〜3を示すことから家畜飼料としての利用が期待される。 集落排水処理と兼ねた栽培も可能であり、不織布原料としても利用の可能性がある。油吸着性材料として芯部を利用でき、さらに低温炭化処理で性能を大巾に向上させることもできることなどを明らかにした。
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